美白全盛時代 

先日、女性の肌の色白傾向が顕著になってきていることが報道されていました。

今から25年前、巷では小麦色の肌がもてはやされていました。色白は不健康という目で見られてなんとなく肩身が狭い存在でした。

こうしてみると色白なんて、ただの流行のような気がします。

それならなにが本当に美しい肌、「健康」、「わかい」、「きれいな」肌なのでしょうか。

私は、肌の美しさは、その色調そのものではなく、「均一性」、「滑らか性」だと思っています。

肌が褐色でも、顔全体が均一な色であれば(シミがない、くまがない、表面がスムース)見栄えがきれいに見えます。

逆にいくら色白でも、斑点上(黒子、しみ、あかみ)のものがあったり、たるみやニキビ跡のような凸凹が目立つと見栄えはよくありません。

顔全体を色白にする器械、オーロラやフォトフェイシャルなど、の効果についてはこういったことを踏まえたうえで考える必要があると思います。

ハイドロキノンクリーム 

前号のつづきです。

ハイドロキノンクリームの塗り方でさらに気をつけないといけない点は、シミのところだけでなくもっと広くつけることです。

しみのところだけにクリームを塗っている人は、ドーナッツ状にシミが残存か再発しているのですぐわかります。

最低でもシミの縁から2〜3cm広めに塗る必要があります。

しみにつけるクリーム 

シミの治療でよくつかわれるクリームに、ハイドロキノンクリームがあります。

ハイドロキノンはメラニン生成抑制作用があります。

メラニンを増やさない、という作用です。もうすでにできてしまったメラニンを分解するわけではありません。

ハイドロキノンクリームには皮膚刺激性があります。

クリニックによっては、ステロイド軟膏に混ぜて院内製剤としているところがあります。この場合、長期間塗布を繰り返すと皮膚委縮がおこるので注意が必要です。

ステロイドが入っていないハイドロキノンクリームは塗布の仕方に気をつける必要があります。大量につけたり、擦り込んだりすることは皮膚の炎症を引き起こす原因になります。

予防するためには、掌で十分伸ばしておいてそっと顔につけるのがコツです。

 

 

 

短期間で確実にしみを消す方法は? 

久しぶりにしみについてです。

円形のはっきりしたしみを短期間で消すには、どうしたらいいでしょうか?

美白クリームやハイドロキノンクリームで、シミの治療をした場合治療期間が非常に長くかかります。

1〜2年でとれればまだいいほうで、全然変わらないこともあります。

考えられる原因は、これらのクリームはメラニン色素生成阻害(つまりシミを作らないようにする)が主な作用なので、すでに今できてしまったシミを消すのが難しいことが挙げられます。

もうひとつの原因は、時間の問題です。シミは老化現象なので、できる一方であり、時間がかかる治療では、シミのできるスピードに追い付けないわけです。たとえれば、下りのエスカレータを逆に上がろうとすることに似ています。ゆっくりでは上がることができません。

ここ5年ほど、愛知医大のほうで行っている治療は、レーザー治療とトレチノインクリームの組み合わせです。

この治療の特徴は1クールが約3か月と非常に短期間で終了することです。

治療成績は約90%です。

シミの治療は、スピードが大事です。下りのエスカレーターを一気に駆け上がるぐらいの勢いが必要です。

 

トランシーノは肝斑の救世主? 

今年、第一三共ヘルスケアから「肝斑」の特効薬と言われている「トランシーノ」 が発売になりました。

皆さんのなかにもテレビのCMで見て知った人も多いと思います。

近所の大手薬局チェーン店では5000円台で売っていました。

トランシーノの説明書によるとトランサミン1日量750mgとなっています。愛知医大の患者さんでのデータでは、この量で肝斑が消えてなくなるのはその3割ぐらいの人です。トランシーノのHPでも同じような結果が出ていました。

現在、愛知医大では肝斑の患者さんにトランサミン1000mg〜1500mgを一日量として処方しています。(もちろんヴェリテでも)

この量であれば、改善率は80〜90%に上昇します。ただし副作用として3%ぐらいに胃腸障害が出てきます。

トランシーノを飲んで効かなくて量を増やす場合は、自費診療をしているクリニックに相談されたほうがよさそうです。

レーザー治療とクリーム治療でOK 

以前の記事で、レーザー後の色素沈着のことを書きましたが、これに対する治療法について書いてみます。またこれも以前の記事に書きましたが、ビタミンAクリーム(トレチノイン)がその治療法になります。

  レーザー照射後色素沈着          ビタミンAクリーム塗布後

ビタミンAクリームを1~2か月使用し、ハイドロキノンクリームを3か月併用します。最初は少し面倒ですが、1か月ぐらいすると消えて来るのがわかります。

レーザーでシミを消す? 

シミの治療といえばレーザーが一般的です。

シミの治療に用いられるレーザーの種類には、ルビーレーザー、ヤグレーザー、アレキサンドライトレーザーなどがあります。レーザー光線がシミの本体である「メラニン」に反応することで、一瞬にしてこれを破壊します。

レーザー光線の進歩によって、シミ以外の自分の肌に対するダメージが少なくなってはいますが、ゼロではありません。肌のダメージとは、火傷がおこることです。

やけどがおこると「やけどあと」になり、これがちょうど「シミ」のようになります。「レーザー焼け」です。

レーザーを受けたあとの経過は次のようになります。

レーザー照射→すりむき傷→かさぶた→かさぶたがとれてピンク色の肌→徐々に茶色

これが2〜3週間の間におきます。最後が「茶色」で終わるため、シミの再発に間違えられます。場合によっては元のシミより濃い場合もあるので結構やっかいです。

実際の症例です。 

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                レーザー照射前                 レーザー照射後3週間

 

 

実践的なシミの診断と治療 

実践的なしみの診断で必要なことはしみの深さと厚みを見抜くことです。とても簡単です。シミ治療から逆に考えていくと、まずこれだけで十分と思われます。

(皮膚科のお医者さんが日ごろシミ診断で使用している「老人性色素斑」とか「脂漏性角化症」などの病名は、治療にあまり役立たないことが多いような気がします。)

どういうことかといいますと、たとえばしみの深さですが、浅いほうが治療は簡単で、深いほうが難しい傾向があります。同様にシミの厚さですが、厚いほど治療回数がかかり、薄いほど治療回数が少なくて済むという様に考えられます。

しみの深さを判定する方法ですが、もちろんしみのあるところの皮膚をすこし切り取って(これを皮膚科では生検という)顕微鏡で調べればすぐわかりますが、皮膚をとらないでもだいたいの深さがわかる方法があります。それはシミの縁に注目するやり方です。

シミの境目がはっきりしていればそれは浅いことが多く、境目がぼんやりしているものはやや深いと考えられます。入浴剤の入ったお風呂で自分の手を水面から徐々に深く沈めていくとだんだん手の形がぼんやりしてきます。それと同じです。

しみ治療はむずかしい? 

シミの治療は結果が予測しにくいという面があります。(同じ治療でも、ある人はシミが薄くなり、ある人は濃くなることがあるという意味で・・です。)

(そのせいかどうかわかりませんが、まわりの美容外科医や美容皮膚科医を見回してみても、「シミの治療が好き」というお医者さんにあまり会ったことがありません。)

そんななかで、私は愛知医科大学の形成外科でシミ治療を始めるようになり、ずいぶん色々なタイプのしみを見せていただけるチャンスに恵まれました。そこで培われたシミに対する知識をもとに、私の「実践的なシミの診断と治療」をここにまとめて書いていこうと思っています。これは難しい医学知識を必要としませんので、治療を受けてみようと考えておられる患者さんにも参考になると思います。

しみは確実に消せる? 

本格的にしみを治療し始めて7年が経ち、述べ人数で1200人以上の患者さんを拝見してきました。

しみは難しいなと思う今日この頃ですが、今までに自分なりにわかったことをすこしずつ書いていきます。

実際に治療していると、「このしみ確実に消せるな!」と思うことはまれで、「これはやっかいだな」と思うことのほうがはるかに多いような気がします。

困るのは、同じ治療でも患者さんによって正反対の結果が出てしまうことです。たとえていえば、頭痛の患者さんに頭痛薬を出したところ、ある患者さんにはよく効くが、ほかの患者さんには効かないどころか頭痛が余計にひどくなった、というようなものです。